定年モンキー

定年退職後の生活についてのありのままの雑記

定年後の住まい替え①(現自宅売却の検討)

  年齢を重ねるにつれ、若い時とライフスタイルや住まいに求める条件も変わった。定年退職して、退職金と現自宅の売却金等をメインの原資とし、新しい場所の新築マンションへ引っ越すことに。人生最後の一大イベントとなるかもしれない、自宅売買手続などの記録。

子育て時に購入した現在の自宅

 現在の自宅は平成9年に購入。公務員として就職後、地元神戸を離れ関東での勤務が続き、公務員宿舎住まいが続いていた。40歳くらいの頃に地方への異動を示唆された。子供は3人。今後は頻繁な転勤も予想される。子供に度重なる転校をさせることも不憫なため、父親である私の単身赴任をベースに地元に自宅を構えることに。それが、現在の自宅。当時は、経済的にも自宅購入は負担が大きかった。自ずと生まれ故郷の神戸市内の街中や交通利便な場所は求め得なかった。また、3人いる子供部屋数を確保するにはマンションでは無理があり、部屋配置にある程度の選択肢がある建売りの一戸建てとならざるを得なかった。結局のところ、最寄り駅は良く言えば郊外(はっきり言えば田舎)、駅まで徒歩20分近く、近くに文化施設や商業施設があるわけでもなく、さらには、列車の本数も多いわけではない。そんな自宅を30数年のローンを組んで購入した。

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 役目を終えた?現在の自宅

 それから20余年、子供はとうに巣立ち、夫婦二人だけの老後の生活を迎える。今の自宅は、駅チカではない郊外にあり、庭付き(小さいが)、2階建ての4LDK。庭の手入れ等にも手間のかかる一戸建て。そこで、今後の定年後の老後の生活を考えてみるに、

◯駅から近くないこと、現在はともかく今後は体力的に心配あり。

◯郊外(はっきり言えば田舎)にあって都心部から遠い。自宅や最寄駅近くには商業施設や図書館等の文化施設もなく、また、飲食店も多くはない。

◯急階段の2階建て、この点も、現在はともかく今後は階段が体力的に心配あるし、何より危険。これまでだって転びそうになったことが何度かあるくらい。また、2階建ては、掃除、洗濯物干しや取り込み等に手間を要する。

◯一戸建ての宿命だろうが冬は底冷えするし、夏の2階の熱気のこもる暑さは半端ではない。

◯庭の除草が大変。また、定期的な排水マスの掃除も欠かせない。

 ざっと考えてみただけでも、このようなデメリットが今の自宅にはある。今後の老後のライフスタイルには余り向いていない。叶うのであれば、このような老後のデメリットがない、マチ中で便利なところで余生を送りたい。このような素朴な思いが出発点。
 しかしながら、もちろん先立つのは資金。誰しもそうであろうが、ことは必ずしも簡単ではない。

退職金と自宅売却資金でマンション買えるの❓

 マチ中の便利なところにあるマンションを購入する等ということは、現役時代には、しがない公務員サラリーマンには宝くじでも当たらぬ限りは叶わぬ無縁のことと思い込んでいた。さて、定年退職して、退職金と自宅売却資金等を主たる元手にして、しかも老後の生活資金の貯えも考えた場合、果たして購入できるのだろうか?

 その元手。まずもって退職金。誰しも同じだろうが長年の公務員生活、それなりに山あり谷ありだったけれど大過なく勤めあげた。その結果として手にした退職金。多い少ないは言えばキリがないが、いずれにせよ、まとまった相応額が手に入るのはあり有難い。

 他方、築後約20余年の自宅。三人の子供が生活していたことや、もちろん経年劣化もあって、内外とも傷みが目立つ。こんな家が売れるのかしらと不安。そうでなくとも、築後20年を超える場合は、土地しか資産価値がなく、家屋は無価値でかえって解体費用を要してマイナスだとの記事を目にしたこともある。よくて数百万程度の売却資金しか得られないのだろう、と思っていた。
 ところが、結果的には嬉しい誤算に。土地だけでなく築後20年余の家屋も相応の評価を得て、併せて千と数百万円で売却が可能となった。 

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自宅売却の見込みは(ネットでの簡易査定)?

簡易査定

 住み替えを考えるまでは余り気にも止めなかった不動産関連のチラシ。幾つかの近所の不動産屋から下の写真のような土地や家屋の売却を求めるたりチラシが入っていた。近辺付近に果たして需要はあるのか・・・。 

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 また、不動産関連のウェブサイトでは、簡単に売却査定してもらえるサービスもある。この頃、購入したいと思う神戸市内のマンション物件も気に止めていた経緯もあり(新築物件の検討経緯等は後日に別途投稿予定)、早速、サイトのサービスを利用して簡易な自宅売却査定をしてもらった。
 そうしたところ、大手の不動産会社だが、頑張って営業すれば一千万円超程度での売却見込みもあるとのこと。二足三文(数百万円)かもしれないと思っていたのに少しは嬉しい誤算。退職金に加えて一千万円を超える資金があるなら、マンション購入見込みも少しは現実的に。

仲介と買取

   なお、査定を依頼して初めて知ったことだが、不動産会社に売却をお願いする方法には、「仲介」と「買取」とがあるとのこと。
 「仲介」とは、不動産会社に、買い手を探してもらい、買い手との形式的には直接の売買契約までを仲介してもらうこと。需要があれば基本的に実勢価格又はそれ以上で売れる。しかしながら、買い手が見つからなければ、期間も要するし、売値も下げていくことを余儀なくされる。この際、不動産会社とは、仲介を委託することの「媒介」契約を締結することとなる。
 他方、「買取」とは、不動産会社に直接買い取ってもらうこと。確実に、また、早く売れる。しかしながら、買取価格は、不動産会社が売り物にするためにはリフォームが必要となるため、その費用分をマイナスにした価格となる。例えば、仲介による売り値が一千万を超える物件であるとしても、買取だと、そこからリフォームに必要な数百万円を減じた買取価格となる。

自宅の売却査定(媒介契約)

売却査定

 簡易査定の結果で見込みも出てきたので、具体的な見積・査定を依頼することとした。不動産会社三社に見積を依頼。一社は上述のネットの簡易査定サービスで一千万超を提示した大手S社、後の二社は先程の写真にあるような売却を求める広告チラシを配布している地元のJ社とT社であった。

 結果から言えば、地元不動産会社の方が大手S社よりは高い売却査定額で、その差は選択の余地を与えないほどの開きがあった。

 また、二つの地元会社のJ社とT社について言えば、より地域に密着している(営業範囲がより広域ではない)T社の方が、具体的な地域の需給の具体的ニーズや情報等をストックしているため、より具体的で現実感のある対応であった。このため、この地域密着のT不動産会社に売却をお願いすることとした。

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媒介契約

 この際、T 社と仲介を委託することの「媒介契約」を結ぶこととなる。法律上この契約は三種類あって、不動産会社から説明を受けた上で.どの契約方法とするのかの意向を求められる。

 簡単に分類すれば、一社に専属に委託する場合(専任媒介等)と、複数社に委託する場合(一般媒介)とに大別される。更に一社に専属に委託する場合については、例外なく当該不動産会社が仲介しなければならない厳格な契約(専属専任媒介)と、例外として仮に売主が自身で買取主を見つけた場合は不動産会社を仲介せずに契約できる契約とに分かれる(専任媒介)。

 一般媒介契約は、複数の不動産会社の競争をあおって有利な条件となる場合もあるだろうが、複数社との連絡調整等に要する負担は、仕事を持っているサラリーマン等には少なくないと思える。

 信頼できる不動産会社なら専属でない普通の専任契約で差し支えないと思える。私の場合も、T 社自身の勧めもあって普通の「専任媒介」契約とした。T 社の話では専属専任媒介契約とする例は余りないとのことだった。

 なお、最初に三社から参考見積を依頼した際、大手のS 社だけからは媒介契約までを求められた。この場合は、もちろん一般媒介契約となる。

 ちなみに、下の写真は、T社と媒介契約後にネットにアップされた同社の広告上の我が家。

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 タイミングの良いことに、地元にマンションからの住み替えのため一戸建て物件を探しているユーザーがいるとのことで、早速、調整をお願いした。

売買契約

 1週間が経つか経たないうちに、買取希望のユーザーが家を見たいとのこと。T 社担当者と共に来られることに。日曜日の午後の予定となったため、前日の土曜日、庭の除草と樹木の剪定を業者に依頼、家内は家の中の掃除と床のワックス掛け。基本的に建物の本体に雨漏り白アリ等の本質的な欠陥がある場合はともかく、キレイ汚いは、売却後のリフォーム前提では売値には無関係であるとのこと。が、やはり、キレイ汚い等は買取希望者の見た目の印象面に与える影響を考えれば、やはり重要であるとのこと。

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 その後さらに、T 社担当者のほか、リフォーム会社を帯同して2度、内覧に来られた。それぞれ時間にして30分から1時間程度であった。

 結果として、T社に仲介を依頼してから1ヶ月ほどで売買契約に至った。

 売買契約書の作成は、買い主と売主が、それぞれ別途のときにT 社オフィスで説明を受けサイン等する。売主サイドだけで言えば、この際、不動産会社から家屋の細部の状態、備品の有無・状態等について、チェックリストのようなものに基づき質問チェックを受ける。買い主側にとって、家の内覧だけでは分からない細部の確認であり、当然の手続だろう。我が家で言えば、例えば、門扉の両扉の噛み合わせが悪くなったり、風呂の窓のルーバのハンドルが折れてしまっていたり等、多々あった。後で無用のクレーム騒ぎになるのも嫌なので、細大漏らさずお伝えした。

 このようにして契約に至ったが、もちろん資産売却など経験のないことであり分からないことだらけで、もう少し時間も要すると思っていた。ところが、幸いにも主観的には驚くほど早く、また、好都合に決着できたと感じた。通常だと、どれほど期間を要するのか分からないが、買い主さんにも何かしら契約を急ぐ事情があったのかもしれない。

 さて、この間、並行して新居マンションの購入手続も進めていた。この記録は次の投稿に委ねたい。