定年モンキー

定年退職後の生活についてのありのままの雑記

定年後の北アルプス登山

一家総出の北アルプス

 定年前後から、当たり前ながら年齢を重ねるにつれて体力気力の低下が気になり、特に高山などへは今のうちでないと行けないかもしれぬ等と思ったりする。そんな思いで富士山に登ったのが60歳のとき。

 北アルプス表銀座の縦走等も、今のうち、元気なうちに行けたら等と思っていた。山好きの長男と昨年来そんな話をして、半ば冗談混じりで来年夏に行こうかとも話をしていたら、長男が真摯に覚えていてくれて、燕岳スタートの登山を企画してくれた。ところが、奥さんまでもが思いもよらず私も行くと。しかし、彼女は、これまで六甲山が一度、富士山が一度だけくらいで、縦走は無謀だし本人も自信なしとのこと。

 そこで、我々夫婦と長男次男の四名での山行。燕岳の登山と燕山荘宿泊の上で下山、長男だけは常念岳まで縦走するということで決行。

燕岳登山口の有明荘へ(8月9日)

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 山の日の前々日に当たる8月9日に明石を出発。本格的なお盆帰省シーズンの前であったので大きな渋滞に巻き込まれることもなく、夕刻には安曇野有明荘に到着した。

 しかし、夏山シーズンの真っ只中、高い人気の燕岳、登山口の駐車場は前夜中には満車になってしまうとのこと。車は今のうちに登山口駐車場に移動させておくことが望ましいとの宿スタッフのアドバイス。第一から第三まである登山口駐車場のうち、その時点で既に登山口に近い第一は満車、有明荘すぐ裏にある第三駐車場に車を移動。

 さて、この有明荘、登山前夜の宿泊地として最適であることは言うまでもないが、宿の温泉もなかなかのもの。露天風呂でモンキー君🐵たちと遭遇したこともあり、とても良い思い出となった。

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燕岳登山(8月10日)

登り

 燕岳は多くの人が有益な山行記をブログにアップしておられる。私の記録は、拙劣で恥ずかしながらであると思うが、一応はブログに記録を残しておきたい。

 有明荘での朝食は6時から、食事を済ませて6時40分に有明荘を出発した。

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 昨夜の有明荘スタッフの話によれば、今日の燕岳は絶好の好天に恵まれるとのこと。確かに夏空広がる好天だった。

    有明荘から登山口の中房温泉まで徒歩10分、登山届を提出しトイレを済ませて登山口を出発したのが7時5分頃だった。

 以下、第一ベンチを経て第二ベンチが8時20分頃、ここまでは特に早くもないが順調。

 しかし、この後、奥さんにバテが来て、ペースが緩やかにダウン。休憩も多く取り、富士見ベンチが10時頃、合戦小屋が11時頃、ここで40分くらい休憩、最終的に燕山荘にたどり着いたのが12時50分頃だった。

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 燕岳に登るのは二度目だが、合戦小屋までは、ひたすら樹林帯を単調に登り続ける登山道。

 おまけに、時間の経過と共にガスって眺望は全くきかない。富士見ベンチでも、富士山はおろか何も見えなかった。この点は、前回の登山時と全く同じだったので、この山の特有の天候かもしれない。

合戦小屋

 バテた奥さんから合戦小屋まで「後どれくらい」との質問を何度か聞きながら、登り続ける。やがて、後10分、後5分の表示も出てきた。荷揚げケーブルの滑車の音も聞こえてきている。もうすぐ。ここでは、やはり定番のスイカ🍉を食べ、休憩も多めに取ることとした。

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 合戦小屋を超えると、森林限界を迎え、樹林は低くなり(もっともガスで眺望はきかない。)、高山植物も目立ちはじめ、少しは気持ちを和ませてくれる。

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 さて、そうは言っても、合戦小屋から燕山荘まで、すぐに到着という距離でもない。

 バテた奥さんから、またもや「後どれくらい」との質問を何度か聞きながら登り続ける。

 前回燕岳を登ったときも、燕山荘がある尾根までは雲だらけで全く眺望はきかない状態だったが、尾根に建つ燕山荘に着くと、尾根を挟んだ反対側の西側は晴れ渡りアルプスの大展望が開けていた。今回も同じようになることを内心切に願っていた。

燕山荘到着

 燕山荘へ到着間際になって、雲に霞んではいるが山荘の姿が視界に。

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   そして尾根にたどり着くと、西側にアルプスの大パノラマが開けていた。登り続けてきて本当に良かったと思える瞬間。

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 合戦小屋から燕山荘まで、結局は1時間余りを要した。

 早速、燕山荘にチェックイン。山荘スタッフによれば今季一番の混み具合とのこと。山荘玄関から幾つもの宿泊棟を通り過ぎ、幾つもの階段を登り、たどり着いたのが最奥部の新館2階。一畳二人のスペースとのこと。富士山の小屋並み😵

 さて、取り急ぎは昼食。楽しみにしていた生ビールとカレーライス。

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 ただ、このときの生ビールが、後で燕岳山頂への往復で少しこたえる原因となったかもしれない。

燕岳山頂へ

 昼食後、山荘に荷物を置いて燕岳山頂へ向かった。燕山荘から燕岳頂上までは見通しがきき、目標ははっきりしている。写真は燕山荘から望む燕岳だが、見てのとおり安曇野側からは雲が湧き上がっている。

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 山頂へは、ずっと直射日光を浴び続けることとなり、往復の1時間で予想外に日焼けしてしまった。やはり高地の紫外線は強い。

 そして、暑さだけではなく、燕山荘までの行程ではなかった軽い息切れも。後で、長男は頭が痛かったと聞いた。二人は昼食時に生ビール🍺を飲んだのだが、やはり高地、酔いの回りも早く軽い高山病(あるいは軽い熱中症)だったのかもしれない。高山での油断は禁物。

 さて、燕岳からは槍ヶ岳がよく見える。下の写真は、燕岳イルカ岩と槍、そして高山植物の女王コマクサと槍。いずれも撮りたかったショット。

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 そして、山頂。

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御来光(山の日の8月11日)

御来光

 山荘寝床の一畳二人はさすがに窮屈。富士山のときも、寝るのではなく身体を横たえて休息する。そんな思いで横になっていた。それでも、ウツラウツラだけど寝ては目覚めはの繰り返し。午前3時ころに起床。寝床では窮屈で着替えもできないので、リュックを取り出し、階下の談話室で着替え。そこには、何人かが窮屈を避けて寝具を持ち出し寝ていた。

 着替えを済ませ、ヘッドランプをつけて野外に。こんなにあるのかというくらいの満天を埋め尽くす星、星、星。この絶景は写真にうまく撮影できないのが残念。

 4時頃に寝床に戻ると奥さんが起き出していたので、夜空を見に再び野外へ。しかしながら、4時を過ぎるど東の空が本当にうっすらだが明るくなる。そうすると、そんなウッスラさでも夜空の星は姿を消してしまった、残念。

 そこで、御来光を待つことに。今日の日の出は東京で4時56分。そうすると、5時過ぎくらいか。

 そして、雲海の中から日の出。それを眺める燕山荘の宿泊客と、槍ヶ岳のモルゲンロート。

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無事下山

 御来光を拝んだ後、5時から朝食をいただき、出発することに。

 常念岳まで縦走する長男を見送った後、6時半から下山開始。昨日は全く眺望がきかなかった安曇野側もよく見える。さすが山の日なのか、下山者も多いのだが、登ってくる人たちも多く、随所で渋滞になった。しかし、それでも、中房温泉の登山口には10時15分くらいに到着。下山後は、有明荘の温泉で汗を流し、安曇野の蕎麦をいただき、当日の宿泊地の松本へ。この時点で、同行していた次男は行きたい所があるとのことで別行動。

馬刺し、山賊焼、大雪渓

 この間、縦走中のはずの長男から下山中との連絡が次男にあった。事故ったのではなく、宿泊予定の常念小屋も混んでいて一畳二人だとのこと。それを嫌って、一の沢から下山することにしたそう。

 そこで、夕刻に我々夫婦と長男は、松本駅前で合流。居酒屋を兼ねた蕎麦屋で打ち上げを兼ねた夕食。この居酒屋「和利館」、最初に覗いた店が満員で入店できずに、たまたま通りの対面にあったもの。しかし、蕎麦だけでなく居酒屋メニューも豊富。店員の接客、店の作り等の雰囲気も和みがあり、旅情があってよかった。もし、単身赴任地なら馴染みにしそうな店だった。松本名物の馬刺しや山賊焼き(鶏のから揚げ)をつまみに地酒を飲んだ。この地酒は「大雪渓」という銘柄で、何気に頼んだのだが、辛口であっさり、主観的にはかなり美味い部類に入る酒だった。

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筋肉痛と思い出と

    太もも始めの足の筋肉痛はのこったが、いずれにしても、無事に楽しく登下山できた。

    前回の燕登山は日帰り登山だったが、今回は燕山荘宿泊、御来光拝観、また大パノラマをゆっくりと楽しむこともできた。さらには、今秋に初マラソンに挑戦するところ、山行は長距離走と同等の練習効果があるとのこと、この点でもよかった。

    63歳での山行だったが、また来年もと思う良い機会だった。奥さんは懲りたため二度と登らないと言っているが・・・。