始発バスで第82番・根香寺へ
平成31年2月10日(日)。早朝の高松駅バスターミナル、寒ざむとしています。昨日は曇りがちで小雨もぱらつく天候でしたが、今日は良さそうです。
6時50分発の高松駅バスターミナル始発バスで五色台にある根香寺登山口へ。このバスは、高松市を西の方へ向かうバスですが、途中、20年前に高松で勤務していた際の居住地、西宝町を通過し、懐かしい思いで車窓の風景を眺めていました。
7時20分頃、登山口最寄りバス停である根香口に到着。この登山口からは、主に自動車道路を進むこととなりますが、遍路道でもないので、案内標が多くあるわけでもなさそうだし、スマホのマップアプリのナビを参考にしました。ところが、近道となる抜け道をナビしようとしたみたいで、実際は行ってみると通行止め。これが原因で道を誤り、たまたま通りがかった地元の方に尋ねて元のルートに戻るまで約30分のタイムロスを余儀なくされました。
ちなみに、通常なら、五色台上にある第81番の白峯寺に参拝したら、その後、同じ山にある根香寺にも足を伸ばすことが、非常に効率的で常識的かと思います。しかし、私が白峯寺に参拝したときは、この遍路を始めた直後のことで、十分に調べることもなかったので、そうした意識は皆無でした。後々、再び五色台を登らなければならないことを後悔し、そうしたことから、根香寺はずっと気になっていた寺です。また、今回、根香口から参拝することとなったのも、こうした事情があったからです。
さて、道中、高度を稼ぐごとに、眼下の市街地や瀬戸内海、みかん畑の風景を楽しむことができます。この道を登るのも悪くありません。
元のルートに復帰後は着実に登りを続け高度を稼ぎ、9時ごろには根香寺に到着しました。タイムロスが無ければ1時間10分程度の所要時間かと思います。
山門前には、伝説上の人喰い牛鬼の像がお出迎えです。深閑としたたたずまいの中にあるお寺です。
寺には次のような伝説があります。昔、青峯山には人間を食べる恐ろしい怪獣、牛鬼が棲んでいました。村人は、弓名人山田蔵人高清に頼み退治してもらうことしました。しかし、高清が山へ入れど、なかなか牛鬼が現れません。そこで高清は根香寺の本尊に願をかけました。すると21日目の満願の暁に、牛鬼が現れ口の中に矢を命中。逃げる牛鬼を追うと2kmほど西の定ヶ渕で死んでいるのを発見しました。高清は牛鬼の角を切り寺に奉納。その角は今でも寺に保存されています。また牛鬼の絵は魔よけのお守りとして親しまれています。
出典 四国八十八ヶ所霊場公式ホームページ:第82番札所 青峰山 千手院 根香寺
根香寺から鬼無駅へ
山寺ではいつものことですが、次に進む遍路道や登山道の取り付け点探しに苦労することが、私の場合は多いのです。一様には言えませんが、案内表示などが必ずしも丁寧でない所もあるように思えます。
今回の根香寺参拝も、私はノーマルな第81番の白峯寺からの遍路道をたどってきたのではなく、イレギュラーな根香口からの直行路です。
そして、あちこち探したところ、往路時に通らなかった山門脇の余り目立たないところに次の一宮寺への進路表示ステッカーが貼ってありました。何はともあれ、先に進む道を確認できて一安心。次の一宮寺への遍路途上にある鬼無駅へ急ぐこととしました。
根香寺を9時20分頃に出発です。
鬼無駅まで、ガイドブックでは1時間45分を要するとありましたが、五色台を下る遍路道は、下りにしては歩きやすい道で、歩を速めた結果、鬼無駅には10時30分頃に着きました。
この道中、梅が咲いていて春の兆しが感じられたり、麓の鬼無は盆栽の里だそうで、そうした植栽園が幾つもあって、なかなか楽しい道中でした。
鬼無駅は、下の写真のような駅舎ですが無人駅です。入場する際にはアイシーカードのタッチパネルもあり、イコカをタッチしました。ところが、後に下車する屋島駅ではアイシーカードが使えず、しかも屋島も無人駅のため、後で高松駅で入場情報の消去をしてもらう手続きが必要となる等、余計な手間を余儀なくされました。参考まで。
高松駅のうどんとアンパンマン列車
さて、次は、今回の遍路旅の最後の参拝寺となる第84番・屋島寺へ向かうこととしました。
鬼無駅10時38分発の列車で高松駅には10分ほどで到着。屋島へは11時11分発の高徳線列車に乗り継ぐのですが、時間があったので、駅構内の立ち食いうどん店で腹ごしらえをしました。とり天うどん500円。立ち食いにしては少し高い?感もしましたが。
構内には、松山行の特急いしづちが停車中。これがアンパンマン仕様の特別列車。JR四国は、作者「やなせたかし」の出身地である高知県だけでなく、全四国的にアンパンマンをイメージキャラクターとして前へ押し出しているようです。
第84番・屋島寺
高松から高徳線で屋島駅で下車。同駅前から屋島山上行きのシャトルバスに乗って屋島寺へ向かいました。このバスは、料金は100円だし、とっても便利と思いますが、案外に乗客は数人でした。
屋島寺は、やはり20年前に高松で赴任中に来たことがあり、狸の像などがその当時のことを思い出させました。
また、山上からの眺めは格別で、西には、午前中に上ってきた根来寺がある五色台が望めます。
今回の旅の終わり
屋島から高松駅に戻ってきたのは13時過ぎころ。14時55分発神戸方面行の高速バスに乗車予定。
この時間のうちに、今、一度さぬきうどんをと思い、高松勤務中のランチによく通った兵庫町商店街のセルフ店「うどん市場」に行きました。かけ小とコロッケで280円でした。今でこそ、チェーン店の全国展開により、セルフのうどん店も全く珍しくありませんが、20年前にこの店に来たときは、初めて経験するセルフの勝手の違いや、安さに驚いたものでした。
- ジャンル:うどん
- 住所: 高松市兵庫町2-8
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- (写真提供:ryo198135)
- うどん市場 兵庫町店をぐるなびで見る | 高松のうどんをぐるなびで見る
最後に妻から頼まれた「かまどや」のパイ菓子を土産に買って高速バスに乗り込みました。今回の区切り打ちで、高知県を終えることができ、残りは香川県の11寺だけとなって結願までの先が見えてきました。私にとっては結願の楽しみが現実的となる意義ある巡礼の旅でした。
(参考・かまどパイ)https://kamado.co.jp/item/kamadopai/